香霞への誘い

01.17

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香霞への誘い

香霞たなびく今日このごろです。風の魁となり古え人の?いた香のかおりが感じられます。香の霞の内にいる時何とも安心です。現代は、皆様が本当の香を?には大変困難な時代です。それは真の香木を説明してくれる人が少ないのと、真の香木の評価をしているお店が少ないからです。沈水香と言いながら、水に浮いてしまうような香木まがいのものものもあります。しまいには、合成された匂いのするものまであります。残念なことです。又、香を?くのに必要な香炉・灰・たどん・火道具なども粗悪なものが多いようです。

古来やかましく言い伝えられた秘伝を知らずに物を作る結果が、道を汚しているのです。

灰一つ作るにも古来の秘伝を持つのが香の世界です。拙は、こんな難しい現況で大和の「かおり」の世界を一人でも多くの人にお伝えしたいという願いは、かなえられるのでしょうか。いや、何とかかなえなくては、このいつか滅び行く果敢無い世界の終焉が早くなってしまします。一人一人に、香木を見る目、道具を見る目を持って頂きたく思います。良い物は良い、悪いものは悪い、是か非か、芸道はこの前提の上にあります。

香のたき方について少々お話致しましょう。皆様の中にも、香炉をお持ちの方は、多数いらっしゃることと存じます。しかし、実際にその香炉に灰を入れ、火を入れ、香をたいている方となると、その数は急激に減少することでしょう。そして、香をたくことを知っている方でも、ほとんどの方は、火の加減を会得されていないようです。

どんなに高価な香木でも、一つ一つの香木に合った火加減でないと真価を発揮できません。香木のたき方で一大事は、火加減なのです。その火加減をするのに重要な役割をするのが「灰」と「たどん」です。

香炉には、置きつける香炉と、手に取って鼻に近づけて聞香する香炉とがあります。まず、香炉に灰を入れて下さい。七分目ほどで結構です。次にたどんに火をつけ、真っ赤になったら、灰の中へ埋めて下さい。ここでにおいをかいでみてください。灰のにおいのするものはいけません。又、現在市販のたどんは、固めるために「のり」のようなものが、混入されていて、たどん自体が、いやなにおいのするものが多々あります。これも困ります。

 

香炉の中の灰が山形になる様に押さえます。たどんが、灰から飛び出ないよう注意します。山の頂上よりたどんまで穴をあけ、火の通るようにします。このあたりは、秘伝の多く存在するところです。ここでの心持ち(内面性)こそが、香道の命なのです。その山の頂上に銀葉を置いて準備完了です。

〇かおりを楽しむ

さあ、銀葉の上に香木をのせましょう。「かおり」がたち昇がってきます。心を落ち着けて、しばし香霞の内に遊びましょう。何百年、いや、何千年のねむりから覚めた木の妖精の聲が聞こえてきます。なんと素晴らしい世界でしょう。香霞千里です。さて、問題はここからです。同じ香木でも名人が手前によれば、大変よい「かおり」が再現されます。同じ香木なのに、普通の人が?くのと違う聲を出すのです。一木一木の一番よい「かおり」の出し方を楽しむのが、香の世界の根本的な問題です。

一度目より二度目、二度目より三度目と、上達して行くよう心して、五行(香炉・灰・たどん・銀葉・香木)を一体化させるのが、風雅人の役目です。ここが、香の世界への入り口です。大いにお楽しみください。奥の深い世界です。是非、皆様の香炉に火を入れて下さい。置物としての香炉では、かわいそうです。香の霞が、たなびいてこそ、はじめて香炉と言えるのです。品位の高い香霞のたなびくことを心より願っております。

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