11月9日、茨城県の笠間稲荷神社で
第三十一回大和古流奉納祭が無事終了いたしました。
早朝から会の皆様多数神社にお集まりいただき、
拝殿内での儀式から夢想神傳重信流の剣術奉納まで滞りなくおこなわれました。
当日は朝から曇り空で、
クライマックスの降魔射の折には雨というドラマティックな展開となりました。
「降魔射」という魔を払う弓の儀式は1300年以上前から、伝承されていた秘儀で、
平家物語にも登場するあの源頼政公の鵺退治の儀式でもあります。
この平成の世にも伝えられて、
年に一度公開され、一般の私たちも拝見できるという貴重な機会、
儀式一回一回がとてつもない歴史的瞬間なのです。
「ぴゅ~ん」という国守りの鏑矢が時空に放たれて、
儀式終了後にはぴたりと雨がやみ、
魔が祓われたという感覚がはっきりわかりました。
儀式でご当主の使われた弓は、
伊勢神宮遷宮の折に奉納された御弓師・二十一代柴田勘十郎作で、総重藤の弓です。
柴田勘十郎の弓はあの信長公も使っていたという由緒あるもの。
この儀式のために三万射をも射込まれたそうで、
今、この弓を扱える人は全世界に現当主以外にいらっしゃらないでしょう。
また、剣術、弓術におけるご当主と三人のご子息、四神による奉納は、
例年以上に勇壮でテンポがありました。
父子という枠を超え、お一人お一人がきちんと立つべきところに立ち、
隙のない美しさでした。
日本の文化の源流に触れた一日、
おかげさまで濃厚で充実した時間でした。
ご参列の皆様、お疲れ様でございました。
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